2021.02.11/NEWS

【連載第3回】地域とともに生きるJヴィレッジ~震災10年。Jヴィレッジのこれまでとこれから~

【地域とともに生きるJヴィレッジ 連載第3回】

株式会社Jヴィレッジは、2021年3月に東日本大震災より10年目を迎えるにあたり、Jヴィレッジのこれまでの歩みとこれからの未来について4回にわたりお伝えしていきます。

第3回目は、Jヴィレッジ再始動と新たな取組みについてお伝えします。

 


 

第3回『Jヴィレッジ再始動と新たな取組み』

再始動へキックオフ

2018年7月28日(土)14時46分、営業休止から7年4か月の時を経て、震災以降止まっていたJヴィレッジスタジアムの時計の針は、再始動記念試合(JヴィレッジSCU15 vs 福島県選抜U15)のキックオフの笛と同時に動き始めた。翌年の2019年4月20日(土)には、すべてのピッチや施設が利用できるようになり、全面再開イベントを開催し、1日当たりの来場者数としては過去最高の約2万人の来場があった。

 

 

再始動後のJヴィレッジには、ビジネスユース利用が可能で、大規模な会議や講演会も開催できるバンケットホールを完備した新ホテル棟(アネックス棟)が完成し、総客室200室となり最大470名の宿泊が可能となった。また、イベント時には、4000名収容可能で多種多様なスポーツやイベントが開催できる全天候型練習場が新設され、いくつもの新たな魅力が加わった。さらに、JR常磐線の全線開通に伴い、新駅Jヴィレッジ駅が開業し常設化されたことでJヴィレッジへのアクセスが飛躍的に向上した。

再始動直後は、週末や夏休みなどを中心に県内外の小学生から大人の方まで、多くのチームの利用があった。また、なでしこジャパンをはじめ、各年代のサッカー日本代表が利用したり、2019年にはラグビーワールドカップに出場するアルゼンチン代表もキャンプで利用し、Jヴィレッジを拠点とした交流人口の拡大が再び始まった。同年夏には、再始動後、初の全国大会として、「全国自治体職員サッカー選手権大会~Jヴィレッジ復興記念~」も開催され、全国各地から48チームが参加し、多くの賑わいがうまれた。

2019年度は約49万人の方にご利用いただき、震災以前の平均来場者数、約48万人を超えるお客様を迎えることが出来た。しかし、2020年2月からは世界的に流行した新型コロナウィルス感染拡大のため、わずか5か月で約13,000名の宿泊キャンセルがあるなど、大震災に続いて大きな影響を受けた。

 

コロナ禍での新たな取組み

Jヴィレッジは、東日本大震災や原発事故を地域の方々や応援してくださる方々と共に厳しい時代を乗り越えてきた。だからこそ、コロナ禍でも、感染予防対策に留意しながら、様々な取組みをしている。その中のひとつとして、2020年6月から10 月まで開催した「J-VILLAGE REFRESH PARK」では、Jヴィレッジの特性を生かし、運動不足やストレスの解消を目的としてピッチを無料開放し、身体を動かしたい、リフレッシュしたい地域の住民の方を中心に利用者が広がった。綺麗な芝生の上でサッカー教室やヨガ教室なども開催し、小さなお子様連れのファミリー層や高齢者まで、幅広い年代に楽しんでいただき、これまでJヴィレッジを訪れたことがない方々にも身近に感じていただける機会となった。

 

 

さらには、多くの企業が働き方改革を推進する中で、出張やプライベートオフィスとしてご利用いただけるように「リモートワークプラン」や「ワーケーションプラン」の宿泊プランを開始し、広々としたピッチを眺めながら仕事したい方や隣接するフィットネスクラブを利用してリフレッシュしたい方のニーズにも応えている。

スポーツ合宿利用の際の食事会場においても、毎回の測温や席数制限など感染予防対策を徹底しており、これまでのブッフェ形式での提供を見直し、セットメニューで対応している。食欲旺盛な中高生にも満足いただけるボリュームと管理栄養士の監修のもと、スポーツ選手にとって適切な栄養バランスを摂取できるメニューを提供し、好評をいただいている。

 

震災から学ぶ新たな需要

最近では、新型コロナの影響を受け、各学校が修学旅行の日程変更や行き先を模索していく中で、大震災から丸10年を迎える時期でもあり、震災を学べる地域として福島県双葉郡への関心が高まってきている。事業運営部の小名山は「2018年の再オープン当初は、修学旅行などの教育旅行団体の誘致を考えていても、語り部さんやアーカイブ的に震災を学ぶことができる施設がなかったことや放射線に対する懸念があったため、なかなか振り向いてくれない状況だった。今回の新型コロナをきっかけに、海外や首都圏からの方面変更で、Jヴィレッジへの宿泊需要が非常に増えています。2020年9月に双葉町に開館した「東日本大震災・原子力災害伝承館」や福島県観光物産交流協会が中心になって進めている「ホープツーリズム」など、震災学習のコンテンツが整備されてきているので、震災前には少なかったスポーツ以外の団体利用の誘致を積極的に行っていきたい。」と今後のさらなる需要増に備えた受け入れ準備をしている。

 

 

また、1997年のオープンからの賑わいの様子、原発事故収束拠点となり営業休止していた時期、そして全面再開までの歩みを約60メートルに渡り、壁画に描いた「J-VILLAGE STREET」を一般公開しており、Jヴィレッジや地域の歴史を知ることができる。また、より詳細を伝える講話やワークショップ等の研修も充実してきており、何より日本代表選手なども利用する国内最高レベルのピッチの上で、チームビルディング研修やサッカー教室などを体験することが可能であり、教育旅行だけでなく、企業研修やビジネス合宿等においても、学びや気付きを得られる場として活用することが可能となった。

 

Jヴィレッジは、これまで多くの方からご支援いただき、全面再開することが出来た。これからも、皆様の期待に応えるために、新施設や新機能の活用の幅を広げて、新たな魅力を創出し、サービスの向上を図り、さらなる交流人口の拡大を目指していく。

 


 

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*今後の連載スケジュールと主な内容について

第4回 2021年3月11日(木)  これからのJヴィレッジについて

 

 

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